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近年の長引く不況のもと、リストラや過重労働等に関連して、働き盛りの年齢層における脳血管疾患の増加が懸念される。特に、大阪の産業を支える中小零細企業の健康管理体制は十分でないとされており、中小零細企業勤務者の健康問題の実態把握とそれに基づく疾病予防対策は大阪の喫緊の課題である。その一環として、中小企業の集積する八尾市と東大阪市における脳卒中の入院患者調査を実施し、脳卒中の罹患の実態ならびにその背景要因を検討した。
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1) 八尾市における脳卒中入院患者率と病型割合の推移
脳卒中入院患者率は、男の40~59歳で、Ⅰ期からⅢ期にかけて有意に増加した(表1)。男の60歳代、70歳以上の脳卒中入院患者率は有意の変化を認めなかった。なお、八尾市の脳卒中死亡率(人口動態統計)も同様の傾向であった(表略)。
いずれの年齢層でも、Ⅰ~Ⅲ期を通じ、脳梗塞の割合が最も大きく、脳梗塞の割合は60歳代、70歳以上と高齢になるほど大きくなった(図1)。40~59歳では、脳出血とくも膜下出血を合わせた出血性脳卒中が脳梗塞とほぼ等しい割合を占めた。
Ⅰ~Ⅲ期を通じ、いずれの年齢層でも、高血圧との関連の強い穿通枝系梗塞の割合が最も大きかった(図2)。また、高齢になるほど、皮質枝系梗塞(塞栓型)の割合が大きくなった。

東大阪市の脳卒中の病型割合は八尾市とほぼ同じ傾向であったが、40~59歳男では、脳出血とくも膜下出血を合わせた出血性脳卒中の割合が55%と過半数を占め、特に脳出血の割合はいずれの年齢層でも、東大阪市は八尾市よりも脳出血の割合が大きい傾向を認めた。
壮年男性の脳出血の関連要因としては、未治療高血圧、低コレステロール血症、大量飲酒、多量喫煙の割合が大きいことが明らかとなった(図4)。また、脳出血例の職業は、自営業または作業系労務者が大部分を占めた(表2)。
以上より、中小企業の集積する地域においては、壮年男性を中心に近年、脳卒中発症が増加しつつあることから、中小企業の健康管理体制や個人の生活習慣を含めた背景要因の解明と予防対策の展開が急務であると考えられた。