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研究開発 研究者・指導者の皆様へ

循環器疾患のリスクファクターの検討

地域における脳卒中・虚血性心疾患発生のリスクファクターの検討

目的
平成20年度から実施される、特定健診、特定保健指導は、健診受診率の大幅な向上を目標とするなど、より徹底した予防対策を展開しようとするものである。しかしながら、対策の要であるメタボリックシンドローム対策が、大阪府の循環器疾患発生の予防にどの程度効果的であるかについては、府民を対象とした公衆衛生的な見地からの検証が必要である。

研究成果
八尾市南高安地区住民の循環器疾患調査より、最近の脳卒中および虚血性心疾患の発生者の発生前の健診所見を検討した結果、脳卒中については発生前に高血圧を有する者の割合が最も高く(図1)、虚血性心疾患では喫煙者の割合が最も高かった(図2)。メタボリックシンドロームについては、脳心ともに発生前に合併する者は1~2割と比較的少なかった(表1)。
さらに、大阪以外の秋田、茨城、高知の地域住民の調査結果を併せて、肥満の有無別、リスク(高血圧、高脂血症、糖尿病)の集積度別に循環器疾患発生の集団寄与危険割合(危険因子の曝露群の全員が非曝露群となった場合に、集団全体の疾病の発生率が何パーセント減少するかを示す割合)を算出した結果、肥満していなくてリスク(高血圧、糖尿病、脂質異常)を1個以上有する者の集団寄与危険割合が最も大きく、次いで肥満していてリスクを1個以上有する者の寄与割合が大きいことが示された(図3,4)。
以上より、大阪府における循環器疾患の発生予防の観点(地域全体の循環器疾患をより多く減らすという観点)からみると、メタボリックシンドロームのみでなく、肥満を伴わない高血圧等のリスク保有者に重点的に保健指導を実施していく事が効果的であると考えられた。この知見を、大阪府の健康増進計画、特定健康診査実施計画、医療費適正化計画、および各市町村の健康施策の内容に反映させるべきと考える。

図1 脳卒中発生者が保有していた危険因子の割合
脳卒中発生者が保有していた危険因子の割合(棒グラフ)
図2 虚血性心疾患発生者が保有していた危険因子の割合
虚血性心疾患発生者が保有していた危険因子の割合(棒グラフ)