

お酒は適量であれば、人間関係の円滑化などの社会的効用に加え、血行を促進し、精神的ストレスの発散、動脈硬化を予防するHDLコレステロールの増加などの医学的効用があります。
お酒が引き起こす生活習慣病には、肝障害、膵炎、高脂血症、高尿酸血症、高血圧症、食道がんなどさまざまな病気があります。
アルコールの代謝を担っている肝臓は、多量飲酒者ではまず障害が起きます。肝臓は症状が出たときには、重症になっていることが多いので要注意です。肝臓が沈黙の臓器といわれるゆえんです。多量飲酒で上昇するγ‐GTPは測定方法により異なりますが100IU(国際単位)以上になったら肝障害を起こしている可能性があります。アルコール性肝障害で最初になるのは脂肪肝です。それでも多量飲酒が続くとアルコール性肝炎となり、時には、肝臓が機能を果たせなくなる肝硬変となることもあります。γ‐GTPが上昇したら禁酒が原則です。
お酒をよく飲む人には口腔がん、咽頭・喉頭がん、食道がん、肝臓がん、乳がんなどが発症しやすくなることがわかっています。飲酒に喫煙が加わるとがん発症のリスクが高くなります。
飲酒と喫煙が重なるとがん発症率が高くなる

多量飲酒は脳に障害を及ぼし、時には脳の委縮を促進させます。とりわけ思考、自発性(やる気)、感情、性格、理性などの機能をつかさどるヒトでもっとも発達した前頭葉が障害されやすいのです。長期の多量飲酒はアルコール性認知症になりやすいと考えられています。しかし、断酒とリハビリで回復が望めますので諦めないでください。
飲酒をする量、場所、時間などを自らコントロールすることができなくなる状態をいいます。必ずしも大酒家がかかるものではなく、お酒の飲み方を誤ると誰でもかかりうる可能性があります。


これまでの調査結果をみると、平均1日2合を超える飲酒者では、様々な健康障害を引き起こしやすくなります。長期的にみると脳卒中や肝硬変を起こす率が高くなります。
適量の飲酒なら大丈夫というのは、健康障害を引き起こしていない方にあてはまることです。たとえばすでに肝臓病になっている人や肝機能が低下している方、血圧の高い方は飲酒を極力控えなくてはいけません。
毎日飲酒していることは、それだけ胃や肝臓に負担がかかっていることになります。週に2日はお酒を飲まない休肝日をもうけることがおすすめです。
一般に肝臓がアルコールを処理するスピードは個人差がありますが、平均すると1合あたり約3時間と言われています。たとえば3合飲酒するとそのアルコールの処理には9時間かかり、翌朝にアルコールが残ってしまうことになります。就寝中でも肝臓は休みなく働いていることになります。



■マイペースでゆっくり飲む(人にも無理やり勧めない)
■食べながら飲む
■はしご酒は控える
■家にお酒の買い置きはしない
■まわりの人に健康プランを公表しておく
■休肝日をもうける(飲まない曜日を決める、飲みに行った翌日は飲まないなど)
■自分からは誘わない(飲む機会をどうしても飲まないといけない時だけに絞る)
■飲酒日記をつけ、自分の飲酒量や飲酒日数などの飲酒パターンを把握する
食べながら飲むことは、肝臓や胃にやさしく、飲酒量もおさえることができるので大切です。しかし、つまみの選び方には注意が必要です。油っこいものや脂肪分の多いもの、塩分の多いものは控えるようにし、たんぱく質、ビタミンの豊富なものを摂りましょう。
■アルコールの間に水を飲んだり、強いアルコール飲料は薄めて飲む
■断り方を前もって練習しておく
■ソフトドリンクやノンアルコール飲料を飲む
■飲めない人の隣に座る
■車の場合は運転手役をかってでる
アルコールは入眠を促進しますが、アルコールの分解成分の作用で睡眠が浅くなり、目を覚ましやすくするため、結果的に睡眠の質を悪くします。毎晩続けると、アルコールを飲まないと眠れない状態に陥る危険もありますので注意しましょう。
■飲みたくなるような場所に近づかない
■お酒以外の楽しみ(趣味)をみつける
「酒は百薬の長」と言われるように、お酒は適量を上手に飲めば疲労回復やストレス解消に役立ちます。しかし、飲めない人が飲んだほうがいいというものではありません。飲まなければ飲まないほど、肝臓をいたわることができます。健康を守るため適正飲酒をこころがけましょう。