

人は誰でも健康で長生きすることを望んでいます。ですから、健康は多くの人の関心ごとです。
しかし健康は、それ自体が目的ではなく、生きがいを実現するための資源のようなものです。
つまり、健康を維持・増進して有意義な人生を送ることが究極の願いなのではないでしょうか。
健康を維持するには、栄養・運動・休養に留意し、禁煙・節酒に努め、さらに定期的に健康診断を受けることが重要だといわれています。
多くの生活習慣病の背後には、運動不足が潜んでいます。非常に多くの病気が運動不足と関連しています。
とくに、心筋梗塞や狭心症に代表される虚血性心疾患や脳梗塞など、動脈硬化がもとになる病気と強い関連があります。これは、動脈硬化の原因となる高脂血症、高血圧、糖尿病などが運動不足と強く関連しているからです。
| 循環器疾患 | 高血圧、心筋梗塞、狭心症、低血圧、動脈硬化 |
| 整形外科的疾患 | 筋委縮、膝関節症、腰痛症、関節のこわばりなど |
| 消化器疾患 | 便秘、食欲低下、胃・十二指腸潰瘍など |
| 代謝疾患 | 糖尿病、高脂血症、痛風など |
| 精神・神経疾患 | ノイローゼ、自律神経失調症など |
| 呼吸器疾患 | 息切れ、去痰障害など |
| 泌尿器系疾患 | 腎臓結石 |
| 単純肥満 | 免疫力の低下 老化の促進 |
運動すると、さまざまな効果が得られます。それは、まさに運動不足病の裏返しです。単に、生活習慣病を予防する医学的効果や体力向上などの効果だけでなく、友人や仲間を増やしたり、ストレスを発散するなどの社会的・心理的な波及効果もあるのです。しかし、運動には危険な面があることも覚えておいてください。
運動は、単に筋肉を動かしてエネルギーを消費したり、筋肉を鍛えて体力向上させることにとどまりません。例えば、運動を楽に行おうと思えばタバコは一酸化炭素が多く、酸欠のもとなので控えるほうがよいでしょう。また運動し始めるとストレスを発散できるようになり、様々なよい影響が出てきます。また、快適で安全な運動を行うために、食生活にも関心が向くようになるでしょう。
運動しているときは、全身の臓器がその影響を受けます。とくに循環器系、呼吸器系、筋・骨格系は最も影響されます。心臓病のある人が激しい運動をすると、予期せぬ事態になることもあります。運動は、長期的には生活習慣病を予防する大きな効果がある反面、へたをすれば重大な事態にいたる危険性をはらむことを理解してください。健康診断などで、治療が必要な生活習慣病を指摘されたり、かかりつけのドクターから運動を制限するように言われた場合にはなおさらです。

どんな運動をどのように行ったらよいのでしょか?次のポイントを知っておいてください。
運動は有酸素運動を基本としましょう。有酸素運動といえば歩行、ジョギングやエアロビクスのような長時間できる運動がその代表です。肥満の解消にとても有効で、また、心臓や血管に対する負担が比較的軽い運動です。
一方、一気に力を発揮する無酸素運動(短距離走など)は、身体に急激に負担がかかる強い運動では注意する必要があります。もっとも最近、筋力トレーニングは生活の質の向上のために、有効であると注目されています。ただし、呼吸を止めず、強すぎない程度に行うことが大事です。
運動の強度が強すぎると、危険性も高くなります。しかし、あまりに弱いと消費エネルギー量は少なくなり、運動によって得られる効果も少なくなってしまいます。一般的には全力の40~70%の運動が適当といわれています。つまり、いくらでも運動を続けられそうな余裕のあるレベルから、じんわり汗ばむくらいのレベルの強さが、安全性と有効性を兼ね備えた適度な強度です。
運動中、適度なレベルかどうかを知るためには、脈拍数を目安にします。
1回につき20分~60分ぐらいが適当でしょう。有酸素運動を20分以上続けると脂肪の燃焼が始まり、肥満解消の効果が出てくるといわれていましたが、10分程度の短い時間でもつねに動くよう心がけ、1日に有酸素運動を行った合計時間が、30分以上になるようにしましょう。
できるだけ頻度が多いほどよいのですが、疲れを残したままで頻繁に運動をするのは好ましくありません。中高年以上の場合は、軽い強度ならば毎日でもよいのですが、少し強い運動は、休憩をはさんで週2~3回といったところでしょう。そのほうが筋力も向上するといわれています。これを超回復といいます。
運動は、単にエネルギーを消費して肥満を予防することだけが目的ではありません。筋力を高めたり、柔軟性を回復することは、健康生活の質を高めることにつながります。そこで、健康の維持・増進のために、行っていただきたい運動の種類とやり方の例を下記に示しました。
1,歩行
1日1万歩を目標にだんだん歩数を増やす。最初はゆっくり、徐々に速く、胸を張ってさっそうと歩く。
2,ストレッチ、柔軟体操
少し強い運動の前には使う筋肉・関節を柔軟にして、スポーツ障害を防止する。運動後も整理運動として忘れずに行う。
3, ジョギング
他人と会話できるスピードで、決してスピードを競わない。
4,バランストレーニング
下半身だけでなく上半身もバランスよく鍛える。筋力トレーニングをする場合は呼吸を止めない。
5,ゲーム
自分の体力に応じた仲間とゲームを楽しみ、決して無理をしない。
こんな症状があったら無理をしないで、まずは医師に相談してください。とくに運動中に症状がひどくなるような場合は要注意です。
強い息切れ、動悸、呼吸困難、胸痛、前胸部の不快感、めまい、立ちくらみ、頭痛、嘔吐(吐き気)、腹痛、背部痛、関節痛、激しい筋肉痛など