

たばこの煙の中には、約4000種類以上の化学物質が含まれており、そのうち200種類以上は有害物質です。タバコに含まれているニコチンは、ゴキブリの殺虫剤の成分です。また、ヒ素は昔から毒薬として有名です。イタイイタイ病の原因となったカドミウムやガソリンの成分であるベンゼンなども含まれています。
たばこは、数え切れないほどの有害物質を含んだ「毒物の缶詰」と言えます。

(中村正和, 他:「タバコについて考える」, 働く人の健康づくり協会, 2002)

| 禁煙直後 | 周囲の人をタバコの煙で汚染する心配がなくなる。 |
| 20分後 | 血圧と脈拍が正常値まで下がる。手足の温度が上がる。 |
| 8時間後 | 血中の一酸化炭素濃度が下がる。血中の酸素濃度が上がる。 |
| 24時間後 | 心臓発作の可能性が少なくなる。 |
| 数日後 | 味覚や嗅覚が改善する。歩行がらくになる。 |
| 2週間~3ヶ月後 | 心臓や血管など、循環機能が改善する。 |
| 1ヶ月~9ヶ月後 | せきや喘鳴が改善する。スタミナが戻る。気道の自浄作用が改善し、感染を起こしにくくなる。 |
| 1年後 | 肺機能の改善がみられる(軽度・中等度の慢性閉塞性肺疾患のある人)。 |
| 2~4年後 | 虚血性心疾患のリスクが喫煙を続けた場合に比べて35%減少する。脳梗塞のリスクも顕著に低下する。 |
| 5~9年後 | 肺がんのリスクが喫煙を続けた場合に比べて明らかに低下する。 |
| 10~15年後 | さまざまな病気にかかるリスクが非喫煙者のレベルまで近づく。 |
(イギリスタバコ白書「Smoking Kills」, 1998 / IARCがん予防ハンドブック11巻, 2007)

喫煙習慣の本質は、ニコチン依存症という「脳の病気」です。ニコチン依存症というのは、脳に寄生虫のように取りついたニコチンに、心身ともにコントロールされてしまう状態です。そのため禁煙を難しくしています。
また、タバコには習慣性依存もあります。生活の中にタバコを吸うことが組み込まれて、タバコを吸うことが習慣化している状態です。
つまり、タバコはニコチン依存と習慣性依存といった2つの依存を引き起こします。禁煙にはあなたの意志も大切ですが、「依存症を治療する」という意識が必要です。禁煙のための薬や医療機関での禁煙治療を上手に活用しましょう。


禁煙の方法は大きく分けて3つです。①完全に自力で禁煙する方法、②薬局・薬店で買える禁煙補助薬を使って禁煙する方法、③医師の治療を受けながら禁煙補助薬を使って禁煙する方法です。完全に自力で禁煙する方法は、禁断症状がつらかったり、体重が増えたりするなどの問題がありますので、お勧めの方法は下記の2つです。表を参考にあなたに合った方法を選択しましょう。
| 禁煙方法 | お勧めのタイプ |
医療機関で禁煙治療を受ける(健康保険を使った場合、3ヵ月で5回の治療が標準。薬代を含めた治療費用は、自己負担3割の場合約12000~18000円。) |
■喫煙本数が多い人 ■禁煙する自信がない人 ■過去に禁煙して禁断症状が強かった人 ■精神疾患など、禁煙が難しい特性を有する人 ■薬剤の選択など、禁煙にあたって医師の判断を必要とする人 |
薬局・薬店でニコチンパッチやニコチンガムを使って禁煙する(ニコチンガム 1個70~120円、ニコチンパッチ 8週間で約21,200円)※ |
■喫煙本数が少ない人 ■禁煙する自信が比較的ある人 ■忙しくて医療機関を受診できない人 ■保険による禁煙治療の条件を満たさない人 |
※メーカー希望小売価格
禁煙治療が健康保険で受けられる医療機関は、大阪府下では約660ヵ所登録されています(2009年2月現在)。医療機関の検索は、パソコンの場合http://sugu-kinen.jp/other/search.html(キーワード『すぐ禁煙』)、携帯電話の場合http://www.e-kinen.jp/m/p/e/k/(キーワード『いい禁煙』)で行って下さい。ただし、禁煙治療を受けるためには、いくつかの条件がありますので、予約時に医療機関で確認しましょう。
なお、大阪府立健康科学センターの禁煙外来は、開所以来我が国の中心的な禁煙治療施設として、禁煙治療困難者を他の医療機関や保健所から受け入れ、禁煙治療を行ってきました。当センターでは医師・看護師・カウンセラー(保健師など)がチームで禁煙を支援します。

■喫煙行動を観察することで自分の禁煙パターンがわかります。たくさん吸っているときや無意識に吸っているとき(くせ)などを自己分析しておくと禁煙するときに参考になります。
■禁煙を決意したら禁煙開始日を決めましょう。
■禁断症状は禁煙後2~3日あたりがピークで、通常1週間、長くても2~4週間で消失します。
■禁断症状が出現したときや禁煙の実行が難しくなったときのために、吸いたい気持ちをコントロールする方法(対処方法)を考えておきましょう。
| 方法1 |
喫煙と結びついている行動パターンを変える (例:食後いつまでも座っていない、禁煙直後はお酒の席を減らすなど) |
| 方法2 |
たばこを吸う代わりに他の行動をする (例:水を飲む、深呼吸するなど) |
| 方法3 | 吸いたくなる環境を改善する (例:たばこが吸いたくなる場所に行かない、たばこを吸う人に近寄らないなど) |
■ニコチンガムやニコチンパッチ、バレニクリンといった禁煙補助薬を利用すると禁煙成功率が約2~3倍高まります。医師や専門家の指導のもと正しい方法で使用することが大切です。